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維新150周年記念市民講演会「UCLで学んだ長州ファイブの姿」が開催されました

3月14日(水)、山口大学吉田キャンパス大学会館大ホールにて、維新150周年記念市民講演会「UCLで学んだ長州ファイブの姿」が、本学と本学の国際交流協定校であるユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)の共催で開催され、約180名が参加しました。本講演会は、維新150周年を迎え、グローバル化といった多くの課題に対応していくうえで明治維新をけん引した先人の志を学ぶとともに、海外からみた我が国の歴史がどのように理解されているか知ることを通して地域の国際化促進に貢献する目的で開催されたものです。

講演会冒頭、岡正朗学長から、開会の挨拶が述べられた後、UCLのジム・アンダーソン教授(専門は化学)による講演、「UCLで学んだ長州ファイブの姿」が開催されました。講演では、当時の長州ファイブがロンドン留学に至った経緯にふれた後、長州ファイブが師事したアレキサンダー・ウィリアムソン夫妻との関係や実際に学んだことなどについて紹介されました。アンダーソン教授によると、列強の進出に対応するためには軍事力の強化が必要であったことから、長州ファイブは当初、当時世界最強を誇ったイギリスの海軍の技術を学ぶために渡航、様々な困難を乗り越え、イギリスに到着した後、国籍や宗教に関係なく生徒を受け入れていたUCLの中でも特に国際感覚豊かな人物であった同大学の化学部長のウィリアムソン教授のもとで学ぶことになったとのことです。ウィリアムソン教授は長州ファイブがUCLで学べるように支援するだけでなく、夫人とともに現地での生活も手厚く支援し、化学教育や英語の指導を行うなど極めて協力的であった等、当時の様子について写真等を使用しながら紹介され、聴講者は真剣な表情で聞き入っていました。

講演後に行われた質疑応答では、「当時のイギリスの社会情勢を想像するに、これほど5人がすんなりと現地に適応できたという事は驚異的でありつつ、差別もあったのではないか」という質問に対して、「5人はウィリアムソン夫妻の支援を受けるとともに、UCLでは多くのアジア諸国から留学生を受け入れるなどの背景があった。また、5人が現地の工場の視察を行った際の新聞記事が残っている。少なくとも大学内において差別的な扱いは受けていなかったようだ。一方で、実社会では差別があったことは想像できる」とのことで、改めて、ウィリアムソン夫妻の支援の重要性や5人の現地で直面した問題について考えさせられました。

最後に、山口大学三浦房紀副学長(国際連携担当)より閉会の挨拶があり、盛況のうちに講演会は終了しました。

本年は維新150周年を迎え、山口県内でも多くのイベントが開催される予定です。山口大学もこれを機にUCLとの交流をさらに活発化されるとともに、今後ともこうした活動を通し、地域の国際化促進に貢献します。

岡学長による挨拶
岡学長による挨拶
アンダーソン教授による講義
アンダーソン教授による講義
三浦副学長による挨拶
三浦副学長による挨拶