共同獣医学部音井教授のプロジェクトがSATREPSに採択

本学共同獣医学部の音井威重教授のプロジェクトが、平成26年度地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム(SATREPS)に採択されました。(研究代表者:独立行政法人農業生物資源研究所 菊池和宏上級研究員 研究分野:生物資源)。

SATREPSは、独立行政法人科学技術振興機構(JST)と独立行政法人国際協力機構(JICA)が共同で実施している、日本と開発途上国の研究者が共同で行う研究プログラムで、公募・審査を経て採択された研究に対し、年間1億円程度の予算規模で資金援助が行われます。環境問題、感染症などの地球規模の課題は、ひとつの国や地域にとどまらず、国際社会に共通する課題であり、なかでも、途上国は特にこれらの問題の影響を受けやすく、各国のニーズに基づく研究開発と実用化が必要とされており、日本の優れた科学技術への期待が高まっています。

本プロジェクトでは、ベトナムの希少品種であるミニブタの絶滅を阻止すべく、現地の農業農村開発省畜産研究所、ベトナム国立農業大学、ベトナム科学技術アカデミーと、研究代表者である菊池上級研究員のほか、山口大学を含む4機関の研究者が共同で研究に取り組んでいます。具体的には、現地でのジーンバンクシステムの構築を主な目的として、安全な移植用代替臓器として期待されるブタ内在性レトロウイルスに感染していないミニブタを発掘し、ベトナムから他国への医用動物販売の可能性を探り、最終的には日本にミニブタを持ち込むことを目指しています。これにより、生物多様性の維持、レトロウイルスフリーのブタの系統保存および再生、地域ブランド化を目指したブタ生産システムの確立が期待されます。

音井教授は、長年、ベトナムの希少種であるミニブタの品種維持に取り組んでおり、これまで本学は、教員の国際協力活動のサポート予算である、国際戦略活動プラットフォーム経費から拠出して、研究を支援してきました。

本研究で、音井教授は、自身の知見を生かし、現地の機関と共同でブタの飼育に携わるとともに、技術指導も行い、現地のニーズに基づく人材育成、また、ミニブタの販路確立に貢献します。

山口大学では、国際協力の里構想を掲げ、さまざまな国際協力活動に携わる人々が集う「場」を設けており、プラットフォーム経費を通じて、国際協力の里につながる活動を支援しています。音井教授のプロジェクトが、今回このような形で発展したことは、ひとつの大きな成果であり、今後も、音井教授のプロジェクトが、途上国のみならず、地球規模で持続的社会の発展に貢献することを願っています。

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