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カンボジア王国ワット・ポー小学校教員招聘

~日本の教育現場から学ぶ~

山口大学では、本学の研究・教育の成果を地域のリソースとも連携して開発途上国等に提供し、その発展に貢献することを目指していますが、その一環として教育学部教員と「国際協力活動推進プラットフォーム」が連携して、2008年、2009年に「カンボジア王国における学校教育と教員養成に関する現地調査」を実施しました。2009年度調査には、山口大学教職員と市民により設立された「アジアの子教育基金・山口大学」(アジアの国々の子供たちの里親となり学費支援を行っている)理事も参加し、大学と市民団体が連携した協力の可能性についても調査しました。

2010年度においては、過去の調査を通じて交流の生まれたSiem Reap州のワット・ボー小学校に対し、児童への学費支援が「アジアの子教育基金・山口大学」により10月より開始されました。ワット・ポー小学校は、校長の強力なリーダーシップのもと地域や寺と協力しながらコミュニティー・エンパワーメントと教育改善の両方を積極的に進めていますが、そうした努力を支援する目的で同小学校教員を山口に招聘し、山口大学(付属小・中学校を含む)での研修を実施しました。本研修は昨年11月から12月にかけて教育学部教員有志が中心となり、「国際協力活動推進プラットフォーム」が協力して行いましたが、カンボジアの先生たちは研修中も宿舎に戻ってから、その日の研修内容をどの様に活かすかについて、毎晩真剣な議論を続けられたようです。詳細は、報告書を参照下さい。

海外のことを多くの学生に知ってもらいたいと活動を続けている学生サークル「YICA」は、この機会を利用して招聘したカンボジアの先生方と学生の交流会(ポスター参照)を11月30日に開催しました。交流会には山口県立大学の学生を含め、50人を超える参加者があり、カンボジアの教育事情やワット・ポー小学校の現状などの講演を聴いた後、カンボジアの教育の課題や先生方の日本の印象などについて活発な意見交換が行われました。

教育学部と「国際協力活動推進プラットフォーム」では、現在までのカンボジアとの交流実績を踏まえ、今後の協力活動の可能性を探りたいと考え3月に3名の教育学部教員による現地調査を予定しています。こうした国際活動により、山口大学教員が多様な文化や価値観、言語を体験し理解することによってその研究領域を広げること、国際理解や多文化共生に関しての理解を深め、教育に活かすことが期待できます。同時に、こうした活動を通して学生がカンボジアの教育事情に関心を持ち、教員、児童との交流によって国際力(言語のみでなく異文化や異なった価値観への理解)を高める機会を作っていくことが今後の課題かもしれません。

本件に関しては、本研修 に参加されたワット・ポー小学校の田中千草先生のブログでも報告されています。

ワット・ポー小学校教員との交流会