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山口大学国際月間特別講演会

「マレーシア:国際パートナーとしての可能性」
に150名の参加がありました

講演に先立ち山口大学・丸本卓哉学長が「山口大学にもマレーシアから多くの留学生が来ており、今後、マレーシアとの交流がますます発展していくことが期待されます。今日は貴重なお話を聞くチャンスです。皆さま最後までご講演をお楽しみください」との主催者挨拶を行い、講師である堀江大使が紹介されました。

「マレーシア」の国名はよく耳にしますが、漠然としたイメージを抱いている人も多いと思います。堀江大使は分かりやすい資料(ここをクリックして下さい。ppt_2.78MB)を使いながら、マレーシアの社会、経済、政治をはじめ歴代首相の取り組みの成果などについて説明を行いました。そして、参加していた留学生達にも自ら質問を投げかけるなど、ライブ感あふれる講演は興味深く、明快な語り口とともに大変好評でした。

話はマレーシアとの貿易関係、日本からの直接投資の現状やマレーシアの持つ投資誘致の比較優位性にも及びました。また、マレーシア社会が、多文化・多民族国家でありながら比較的安全で安定しており、豊かな文化や自然にも恵まれていることから、日本人の退職後の長期滞在先として人気が高まっていること、マレーシアが国際社会、アジア社会における日本の良きパートナーとして高い可能性を有していることを理解することができました。

マレーシアは「東方政策」を掲げ、日本から多くのことを学びたいと日本の大学との連携にも積極的で、様々なプログラムで多くの留学生を日本に送り出しています。また、堀江大使が設立に尽力されたマレーシア日本国際工科院(MJIIT)が、日本の大学の協力も得て本年9月に開校し、留学生も多く受け入れる国際的な高等教育機関を目指していること、こうしたプログラムに山口大学が積極的に参加・協力している事が紹介されました。

堀江大使はまた、現在のご担当である地球環境問題に触れ、気候変動枠組みの中心課題である温室効果ガスの世界的な削減努力の重要性、世界の全ての国が参加する新たな枠組み作りの必要性などを強調しました。最後に、開発途上国に対する日本の環境分野での国際支援の具体的取り組みの事例も紹介されました。

講演は当初の予定時間を大きく超えて80分にも及びましたが、内容の濃さと分かりやすさ、聴衆を惹きつけてやまない大使の話術に、時間を忘れるほどでした。
(アンケートでは「1時間という講演時間の設定は短すぎる」「内容に見合った時間設定にすべき」とのご意見を何件か頂きました。今後は注意したいと思います。)

講演の後、堀江大使はマレーシア、バングラデシュ、インドネシア、サウジアラビア、アフガニスタンからの留学生20名と約1時間意見交換を行いました。留学生の自己紹介の際には、それぞれの国や専門分野について質問し、一方、学生たちからの「日本とアジア諸国の貿易協定が日本に有利なものとなっていないか」、「日本やマレーシアの発展を支えた要因は何か」、「温室効果ガス排出規制に関する先進国と発展途上国との利害は」といった質問には丁寧に答えられました。学生たちの意見を真剣に受け止め、自らも質問しながら学生たちの考えを引き出し、真正面から議論を交わす姿は、日本外交を担う者としての真摯な姿勢が伺え、学生たちも大使の人柄に深い感銘を受けた様子でした。

山口大学では地域の方々とともに国際交流や国際協力を考える機会を、今後も企画・提供していきたいと考えています。そうした活動を通じて、大学と地域が互いの知識や経験、技術を補完し合いながら新たな国際活動を展開し、アジア諸国の人々と友好的な関係を築き、発展させ、アジア地域全体の豊かで幸せな社会造りに貢献できればと考えています。

参加者の感想はこちら(PDF_107KB)