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国際協力機構(JICA)青年海外協力隊帰国者報告会を開催

10月23日(金),吉田キャンパスにて,山口大学及び国際協力機構山口県JICAデスクの共催で,本学卒業生の髙森太郎氏(教育学部卒)による青年海外協力隊帰国者報告会を開催しました。髙森氏は、平成25年度第一次隊としてウガンダ(職種:小学校教育)へ派遣され、任期を終えて本年7月に帰国したばかりです。グローバルなキャリアの一例として,青年海外協力隊の仕事を紹介することを目的に報告会を実施したところ,青年海外協力隊の活動内容や国際協力に関心を持つ学生をはじめ,一般の方々,教職員,約30名の参加がありました。

報告会の冒頭,本学経済学部の大岩隆明教授より,青年海外協力隊の制度について,同事業の目的,現在71カ国におよそ2,080名が派遣されていること,職種は看護,農業,工業,スポーツ等,多岐にわたっていること等が紹介されました。続いて,山口県JICAデスクの木下愛氏が挨拶され,青年海外協力隊事業について関心を持っていただき,積極的に問合せをしてほしいと呼びかけられました。

髙森氏の報告では,まず,ウガンダでの生活状況,現地での活動内容が写真や動画を交えて紹介され,多くの参加者にとっては馴染みのない,遠いアフリカの国であるウガンダでしたが,参加者は大変興味深い様子でした。続いて,任務についての説明があり,小学校教諭として赴任し,赴任先の小学校で4年生,5年生の算数や体育の授業に携わったことが紹介されました。教科書もないような現場の大変さ,小学校のクラスに20代の学生が参加している現状等,現地の教育事情に悪戦苦闘しながらも,授業に関心を持ってもらうための工夫や,現地の先生に向けてワークショップを開催したこと等が報告され,参加者は熱心に耳を傾けていました。また,髙森氏から善意が必ずしも現地の人に受け入れられるというわけではないという現実やボランティアがその国の自助努力を弱めていると感じたことに対する葛藤が伝えられると,参加者はその言葉の重みを感じているようでした。

質疑応答の際には,青年海外協力隊に参加した動機,必要とされる語学力,今後の進路等についての質問が挙がると,髙森氏から丁寧な回答があり,参加者は活動についての理解を深めました。

参加者からは「国際協力というのは,現地に行かずともこういったお話を聞く事から始まるのではないかと感じた」「支援するにあたっては,現地の習慣や文化も尊重する必要があるし,一口に支援と言っても難しいものであると分かった」等の感想が寄せられました。髙森氏の貴重な体験談に触れた参加者は,国際協力についての理解を深めるとともに,グローバルな進路についても模索しているようでした。今般の報告会を通じて,より多くの本学学生が,海外へと活躍の場を広げてくれることを期待します。